茶遊記

中国茶の物語と評茶、茶館情報のブログ。

Vol.71「となりの奎龙珠」

「となりの奎龙珠」

 

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拼配緑茶 奎龙珠  

江苏省扬州市

外形:魁尖,龙井茶,珠兰

茶汤:麦芽糖黄色

香气:花香

滋味:醇和


 Vol.70で揚州の「富春花局」のブレンドティー・魁龙珠を紹介しましたが、これは商標登録されているので他の茶業者は同じ茶名で売ることができません。その代わりに、揚州の百年老店「扬州绿杨春茶叶有限公司 」では、同様にブレンドしたと思われる「奎龙珠」を販売しています。

 茶葉は自然のものなので、当たり前ですが常に全く同じ茶葉というわけには行きませんが、「奎龙珠」は富春花局のオリジナルに負けないぐらい美しく美味しいブレンドティーに仕上がってました。

 まずは干茶の深緑、若草色、黄緑の3色グラデーション。淹れると真っ直ぐに伸びた魁尖,雀舌のように開いた龍井茶、珠蘭と三種三葉にグラスの中でジャンピングします。龍井茶単独のジャンピングも綺麗ですが、奎龙珠は三葉が華やかにグラスの中で踊ります。クルクル回り濃淡の緑色が目にも優しい色合いです。珠蘭のふくよかな香りもよく合います。

 

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 滋味はまろやかで瑞々しく、普段飲んでいる太平猴魁や西湖龍井茶だけでも美味しいのに、銘茶がブレンドされてそれぞれの良さが引き出されている感じです。緑茶でありながら花茶のような香り高いお茶です。

 

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(珠蘭の花も入っているのが確認できます)

 揚州は「紅楼夢」の作者、曹雪芹の出身地。どことなく揚州の茶文化らしいブレンドテイーです。