「土家族の宜昌工夫茶」
外形:混黑色
条索自然弯曲,非常细条紧结
汤色:深釉色
香气:カラメルベースに薄荷の香り。
滋味:まろやかで甘味がある。
葉底:栗皮茶色
一葉摘み、茎長い(葉2.5、茎1.5)
宜昌工夫茶は最初湖北省宜昌地区で作られたのでこの茶名になったと伝わる。主要な産地は宜昌地区と恩施地区。恩施は中国緑茶の中でも数少ない蒸青緑茶「恩施玉露」の産地でも有名です。
湖北省は「中国本草経」を遺した神農(前3245-前3080)が、いろいろな草を試して1日70回お腹を壊したが茶を飲んで解毒したと伝わる「神農架」が存在します。この頃は茶という字でなく荼であった。荼は①野芥子②茶の意味で使われていたが紛らわしいので茶の字になったらしい(角川 新字源より)。
神農の時代からこの地域には茶樹が存在していました。茶樹は雲南省が発祥の地とされていて少数民族と関わりが深いです。雲南省、四川省、貴州省は少数民族が今でも多く住む地域で、湖北省宜昌市から100kmのところには五峰土家族自治県が存在します。
宜昌工夫茶を初めに加工したのも五峰土家族自治県。1824年(道光4年)に広東省の商人が江西省の紅茶技術者を連れて指導したそうです。それからおよそ50年後、漢口を経て英国などヨーロッパに輸出されていきました。
評茶してみたところカラメルの香りにほのかな薄荷の香りがあります。清明節前の柔らかく伸びた葉を手摘みして丁寧に仕上げているのが確認できました。正山小种や祁门などのように華やかな歴史はありませんが隠れた銘茶だと思います。