茶遊記

中国茶の物語と評茶、茶館情報のブログ。

咸亨茶室

2022年 10月

               「咸亨茶室」            

                杭州市西湖区 龍井路1号 西湖風景名勝区内  

 

 

 西湖の周りには茶館、茶室がいくつもあります。古い中国建築や中国庭園で美味しいお茶を飲みながら過ごす時間は南宋の時代から続く杭州文化のひとつでしょう。

 

 

 茶館といってもそのグレードはさまざまで、ピンからキリまであります。座るとお茶と軽食、茶菓子、フルーツなどがセットになって200元から300元という高級茶館もあれば、お茶一杯30元から50元でいただける茶室もあります。

  咸亨茶室は景色を眺め、鳥の鳴き声に負けないぐらい大きな声でおしゃべりを楽しむ地元の人たちが集まる茶室のようです。

 

 

  メニューもシンプルで龍井茶30元、九曲紅梅30元、杭白菊茶とひまわりの種。ランチタイムはお弁当が販売されるだけです。

 ただ、他の茶館と違うのは持ち込み自由だということ。私が訪れた日も石榴やザボンなど季節のフルーツをたくさん広げているテーブルがほとんどでした。

 

 

 一番人気のテーブルは小さな池の前(写真二番目)で、空いていれば必ず埋まる席です。開放感があり、ちょっとしたリゾート気分が味わえます。渡り廊下の席も眺めがよく、雨や紫外線を気にせずお茶を飲むことができます。

 ここは地元の人でも知っている人は少ない隠れた茶室なのだと思います。金木犀の時期は花見のために場所取りが大変だそうですが、その時期に来たい茶室です。